こちらはX線と赤外線で観測された木星の様子です。アメリカ航空宇宙局(NASA)のX線宇宙望遠鏡「Chandra(チャンドラ)」が捉えたX線観測データ(紫)と、「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」が捉えた赤外線観測データ(赤、緑、青)を使用して作成されました。ハッブルが鮮明に捉えた木星の周辺では、チャンドラが捉えたX線が紫色をした不定形の塊として示されています。
よく見ると、木星の北極と南極の周辺にも紫色の帯が見えています。チャンドラを運用するスミソニアン天体物理観測所のチャンドラX線センター(CXC)によると、これは木星のオーロラで、X線は高エネルギー粒子が木星大気中のガスに衝突することで放射されています。
2024年5月には太陽活動にともなう地球の低緯度オーロラが話題になりましたが、木星のオーロラのエネルギーは地球のオーロラの数百倍にも達するほど強力な現象とされています。
この画像はチャンドラの打ち上げ25周年を記念して公開された25天体の画像のうちの1つで、NASAやCXCから2024年7月22日付で公開されています。
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Source
NASA – 25 Images to Celebrate NASA’s Chandra 25th Anniversary CXC – 25 Images for Chandra’s 25th: 25 Images to Celebrate!文・編集/sorae編集部