アメリカ航空宇宙局(NASA)は2024年8月1日付で、アメリカの民間宇宙企業SpaceX(スペースX)の有人宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」による有人宇宙飛行ミッション「Crew-10(クルー10)」に割り当てられた4名の宇宙飛行士を発表しました。そのうちの1人は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉宇宙飛行士で、他の3名とともに国際宇宙ステーション(ISS)で長期滞在を行います。【最終更新:2024年8月2日15時台】
Crew-10のメンバーはコマンダーを務めるNASAのAnne McClain(アン・マクレーン)宇宙飛行士、パイロットを務めるNASAのNichole Ayers(ニコール・エアーズ)宇宙飛行士、ミッションスペシャリストを務めるJAXAの大西卓哉宇宙飛行士およびロスコスモス(Roscosmos)のKirill Peskov(キリル・ペスコフ)宇宙飛行士の4名です。
大西宇宙飛行士は今回が2回目の宇宙飛行で、前回は第48次/第49次長期滞在クルーの一員として2016年7月~10月にかけてISSに約113日間滞在しました。滞在中はISSの日本実験棟「きぼう」の新しい実験環境の構築や、日本人宇宙飛行士初となるアメリカの無人補給船「Cygnus(シグナス)」のキャプチャーなどを行っています。宇宙飛行士になる前はANAでパイロットを務めました。
McClain宇宙飛行士は今回が2回目の宇宙飛行で、前回は第58次/第59次長期滞在クルーの一員として2018年12月~2019年6月にかけてISSに約204日間滞在しました。滞在中は2回の船外活動を行っています。宇宙飛行士になる前はアメリカ陸軍でテストパイロットなどを務め、ラグビー女子アメリカ合衆国代表のチームメンバーだったこともある人物です。
Ayers宇宙飛行士は今回が初の宇宙飛行で、宇宙飛行士になる前はアメリカ空軍でF-22のパイロットなどを務めました。Peskov宇宙飛行士も今回が初の宇宙飛行で、宇宙飛行士になる前はノードウィンド航空とイカール航空でパイロットを務めました。
なお、JAXAは2024年8月2日付のプレスリリースに大西宇宙飛行士の以下のコメントを掲載しています。
「この度、クルードラゴン宇宙船への搭乗が決定したことを嬉しく思います。前回の長期滞在ミッションでは、伝統あるソユーズ宇宙船に搭乗する機会を得ましたが、今回は民間の最新技術で開発されたクルードラゴン宇宙船ということで、また新たな気持ちでこれから本格的に始まる宇宙船の訓練に臨みたいと思います。人類の有人宇宙飛行の歴史が始まって60年以上の月日が流れ、その間の人類によるテクノロジーの進化を宇宙船の鼓動と共に感じることができる打ち上げの日を、今から楽しみにしています。引き続き、応援をよろしくお願いいたします。」
NASAによると、Crew-10ミッションの打ち上げは2025年2月以降に予定されているということです。
Source
NASA - NASA Shares its SpaceX Crew-10 Assignments for Space Station Mission JAXA - JAXA大西卓哉宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在 搭乗機決定文・編集/sorae編集部