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ニュートリノが検出された超新星「SN 1987A」の残骸 X線宇宙望遠鏡チャンドラの打ち上げ25周年記念画像から

sorae.jp 2024年8月14日 21時15分

こちらは「かじき座(旗魚座)」で1987年2月に発見された超新星「SN 1987A」の残骸とその周辺です。約16万8000光年先の大マゼラン雲(大マゼラン銀河)で発生したSN 1987Aは、岐阜県の神岡鉱山跡で稼働していたニュートリノ検出器「カミオカンデ」によって超新星に由来するニュートリノ(超新星ニュートリノ)が検出されたことで知られています。

【▲ アメリカ航空宇宙局(NASA)のX線宇宙望遠鏡「Chandra(チャンドラ)」の打ち上げ25周年を記念して作成された超新星「SN 1987A」の残骸の画像。チャンドラの観測データ(紫)の他に、「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」による光学観測データ(赤、緑、青)と、「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」による赤外線観測データ(赤、緑、青)が使用されている(Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical/Infrared: NASA/ESA/STScI; Infrared: NASA/ESA/CSA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Major)】

この画像は、アメリカ航空宇宙局(NASA)のX線宇宙望遠鏡「Chandra(チャンドラ)」の打ち上げ25周年を記念して公開された25天体の画像のうちの1つです。X線は人間には見えない波長の電磁波ですが、ここではチャンドラの観測データは紫で着色されています。また、この画像はチャンドラの観測データに加えて「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」による光学観測データ(赤、緑、青)と、「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」による赤外線観測データ(赤、緑、青)も使用して作成されました。

中央の明るいリングとその上下にある2つの淡いリングによって、SN 1987Aの残骸は砂時計のような形をしています。中央のリングは爆発した星から超新星爆発の数万年前に放出されたとみられる物質で構成されていて、このリングに爆発の衝撃波が衝突したことで放射されたX線をチャンドラは捉えています。

【▲ X線宇宙望遠鏡「Chandra(チャンドラ)」が観測した超新星「SN 1987A」の残骸(冒頭の画像の作成に使用されたチャンドラの観測データだけを示したもの)。爆発の数万年前に放出された物質へ衝撃波が衝突したことで放射されたX線が捉えられている(Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Major)】

チャンドラの打ち上げ25周年を記念して作成されたSN 1987Aの残骸の画像は、NASAやチャンドラを運用するスミソニアン天体物理観測所のチャンドラX線センター(CXC)から2024年7月22日付で公開されています。

 

Source

NASA - 25 Images to Celebrate NASA's Chandra 25th Anniversary CXC - 25 Images for Chandra's 25th: 25 Images to Celebrate!

文・編集/sorae編集部

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