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NASA探査機「エウロパ・クリッパー」2024年10月の打ち上げに向けて準備進む

sorae.jp 2024年8月29日 12時0分

こちらはアメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターで打ち上げ準備が進められているアメリカ航空宇宙局(NASA)の無人探査機「Europa Clipper(エウロパ・クリッパー)」です。2基目の太陽電池パドルの取り付けが行われた2024年8月15日に撮影されました。5枚のパネルに分割された太陽電池パドルは片側だけでも長さが14.2mあり、展開後の探査機の全幅は30.5mに達します。

【▲ 2基目の太陽電池パドルが取り付けられたアメリカ航空宇宙局(NASA)の無人探査機「Europa Clipper(エウロパ・クリッパー)」。2024年8月15日撮影(Credit: NASA/Ben Smegelsky)】

Europa Clipperは木星の衛星エウロパの観測を目的としたミッションで、木星を周回しつつエウロパのフライバイ観測を40回以上行う予定です。機体にはカメラの他に分光計・レーダー・磁力計など9つの科学機器が搭載されており、氷の外殻の下に存在すると予想されている内部海の特性、表面・氷・内部海の相互作用、内部海の生命居住可能性などを探ります。

NASAによると、Europa Clipperの打ち上げ期間は2024年10月10日に始まります。打ち上げ後は2025年2月に火星で、2026年1月に地球でスイングバイ(※太陽を公転する惑星などの重力を利用して軌道を変更する方法)を行った後、2030年4月に木星に到着する予定です。

【▲ エウロパを観測する無人探査機「Europa Clipper(エウロパ・クリッパー)」の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】 【▲ 無人探査機「Europa Clipper(エウロパ・クリッパー)」と人間のサイズ比較図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

なお、Europa Clipperは2024年5月の時点で探査機に使用されているトランジスタの一部が状況次第では想定よりも大幅に低いレベルの放射線に影響される可能性がテスト時のデータから示されていたものの、NASAは最近行われた広範なテストと分析の結果からトランジスタがベースラインミッションを支えられることが示されていると2024年8月28日付で述べています。Europa Clipperの打ち上げと運用に進む準備が整ったかどうかは2024年9月9日に判断されるということです。【最終更新:2024年8月29日11時台】

 

Source

NASA - NASA's Europa Clipper Mission (NASA Blogs)

文・編集/sorae編集部

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