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10月1日はNASA=アメリカ航空宇宙局が正式に活動を開始した日

sorae.jp 2024年10月1日 17時10分

人跡未踏の天体にロボットを送り込む探査ミッション。夜空に浮かぶ月へ人間を降り立たせた有人宇宙飛行計画。数十億光年以上も離れた遠い銀河の観測。そして途切れることなく常に誰かが滞在している宇宙ステーションの建設。

翼を持たない人間は技術を駆使して宇宙に進出し、肉眼ではとても見えない遥か彼方の天体も研究できるようになりましたが、そんな世界の宇宙開発で重要な役割を果たしている組織の一つがアメリカ航空宇宙局(NASA)です。NASAは2024年10月1日で正式な活動の開始から66年を迎えました。

【▲ 1969年7月に世界初の有人月面着陸を行ったアポロ11号でニール・アームストロング宇宙飛行士が撮影したバズ・オルドリン宇宙飛行士(Credit: NASA)】 【▲ 1981年4月のスペースシャトル「コロンビア」によるSTS-1ミッションの打ち上げ(Credit: NASA)】 【▲ 1990年4月にスペースシャトル「ディスカバリー」から放出されたハッブル宇宙望遠鏡(Credit: NASA)】 【▲ 2021年11月に撮影された国際宇宙ステーション(ISS)の外観(Credit: NASA)】

1958年に設立されたNASAは、1961年に「マーキュリー計画」でアメリカ初の有人宇宙飛行、1969年に「アポロ計画」で世界初の有人月面着陸を達成。1981年から2011年まで運用された「スペースシャトル」では人工衛星や無人探査機の打ち上げに留まらず、1998年からは「国際宇宙ステーション(International Space Station: ISS)」の建設も行われました。

【▲ 1989年8月に惑星探査機「ボイジャー2号」が撮影した海王星(Credit: NASA/JPL-Caltech)】 【▲ 2016年4月にNASAとESAの土星探査機「カッシーニ」が撮影した土星(Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)】 【▲ 1997年2月にスペースシャトル「ディスカバリー」による2回目のサービスミッションを終えて放出されたハッブル宇宙望遠鏡(Credit: NASA)】 【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された「わし星雲(M16)」の中心部にある「創造の柱」(Credit: NASA, ESA and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA))】

NASAの活動は有人宇宙飛行だけではありません。1977年に打ち上げられた惑星探査機「ボイジャー2号」は木星・土星・天王星・海王星をフライバイ観測した後、同型機の「ボイジャー1号」とともに太陽圏を脱出して星間空間に到達し、2024年現在も観測データを送信中。NASAと欧州宇宙機関(ESA)が開発して1990年に打ち上げられた「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」は、打ち上げから30年以上が経った今も太陽系の惑星から遠方の銀河まで様々な天体を観測しています。

【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観測されたイータカリーナ星雲の星形成領域「NGC 3324」(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI)】 【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観測された相互作用銀河「Arp 142」(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI)】 【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観測された銀河団「SDSS J1226+2152」(Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, J. Rigby and the JWST TEMPLATES team)】

また、NASA・ESA・カナダ宇宙庁(CSA)が開発して2021年に打ち上げられた「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」も科学観測の成果を上げ始めています。NASAはハッブルやウェッブ以外にもいろいろな宇宙望遠鏡や天文衛星によるミッションを行っており、その観測データは宇宙の様々な謎を解明する上で研究者の助けとなっています。

【▲ 2022年11月にケネディ宇宙センターから打ち上げられた「アルテミス1」ミッションのSLS初号機(Credit: NASA/Bill Ingalls)】 【▲ 2023年1月24日に公開された火星探査車「パーシビアランス」のセルフィー(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)】 【▲ 2基目の太陽電池パドルが取り付けられたアメリカ航空宇宙局(NASA)の無人探査機「エウロパ・クリッパー」(Credit: NASA/Ben Smegelsky)】 【▲ 土星の衛星タイタンの空を飛行する無人探査機「ドラゴンフライ」の想像図(Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben)】

現在のNASAは「アルテミス計画」の下でアポロ計画以来となる有人月面着陸を2026年以降に行うことを目指しているだけでなく、将来の有人火星探査の実施も見据えています。その火星では「パーシビアランス(Perseverance)」をはじめとするNASAの周回探査機や探査車が探査活動を行っていますし、NASAは直近では木星の衛星エウロパの観測を目的とした無人探査機「エウロパ・クリッパー(Europa Clipper)」の打ち上げを2024年10月に予定。また、土星の衛星タイタンを探査するドローン型の探査機「ドラゴンフライ(Dragonfly)」や新型の「ナンシー・グレイス・ローマン宇宙望遠鏡(Roman Space Telescope)」などによる様々なミッションも計画しています。民間企業の役割が高まってきた地球低軌道を越えて、宇宙探査の最前線を担うNASAの今後の活動からも目が離せません。

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文・編集/sorae編集部

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