こちらはハワイのマウナケア山で撮影された「紫金山(ツーチンシャン、ツチンシャン)・アトラス彗星」(Tsuchinshan-ATLAS、C/2023 A3)です。国立天文台(NAOJ)ハワイ観測所のサポートアストロノマー、ベラ・マリア・パッセガー(Vera Maria Passegger)さんが、現地時間で2024年10月13日・15日の日没後に撮影しました。国立天文台の「すばる望遠鏡」をはじめとした天文台群とともに写る神秘的な彗星の姿がとても印象的です。
彗星といえば太陽とは反対側の方向に伸びた塵(ダスト)とイオンの尾が特徴的な天体ですが、特に10月13日撮影の画像では太陽の方向へ伸びるうっすらとした「アンチテール(アンチテイル)」が写っています。彗星の塵の尾はカーブを描きながら曲線状に伸びていきますが、国立天文台によると、太陽・地球・彗星の位置関係によっては大きく曲がった塵の尾の一部がこのように太陽の方向へ伸びているように見えるのだといいます。
国立天文台は先日もパッセガーさんが撮影した紫金山・アトラス彗星の画像を公開しています。パッセガーさんは「彗星はとても明るく、長く広く広がった尾が見えています。アンチテイルもはっきり見えています」とコメントしています。
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紫金山・アトラス彗星は日本時間2024年10月13日に地球へ最接近した後、太陽系の外側へ向かって次第に遠ざかりつつあります。
国立天文台によると、10月20日頃までの明るさは2~4等と予想されており(※彗星の状況次第で変化する可能性があります)、双眼鏡・望遠鏡を使った観察や適切な設定をしたカメラでの撮影、空の暗い場所なら肉眼での観察にチャレンジしやすい時期を迎えています。10月21日~10月31日頃の明るさは3~6等程度の予想で、暗い空でも肉眼で観察するのは難しくなりそうですが、双眼鏡・望遠鏡では引き続き観察できそうだということです。
すでにSNSでは観察や撮影に成功したという投稿が多く見られますが、皆様はいかがですか? 雲に阻まれ続けている筆者ももう少し諦めずに日没後の西の空を眺めてみます!
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国立天文台 - マウナケアの日没後に肉眼で見えた紫金山・アトラス彗星文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
#紫金山・アトラス彗星 #国立天文台 #マウナケア山
Last Updated on 2024/10/23