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米企業Vastが商用宇宙ステーション「Haven-2」を発表 ISS後継に名乗り

sorae.jp 2024年10月21日 17時2分

アメリカの民間企業Vastは2024年10月14日に商用宇宙ステーション「Haven-2」を発表しました。Haven-2はVastが国際宇宙ステーション(ISS)の後継と位置付ける宇宙ステーションで、同社は2028年の運用開始を目指しています。

最初のモジュールは2028年打ち上げ予定 完成予定は2032年

Haven-2は商用宇宙ステーション開発に関するアメリカ航空宇宙局(NASA)の「Commercial Low Earth Orbit Destinations(CLD)」プログラムを念頭に設計された宇宙ステーションです。Vastが2025年に打ち上げを予定している4名滞在可能な商用宇宙ステーション「Haven-1」を発展させたもので、居住可能容積は2倍に拡大して電力容量も強化されており、より大きな機器類の収容や幅広いプロジェクトに対応することが可能とされています。

拡張性も重視されたHaven-2では合計2つのドッキングポートが両端に備わっていて、複数のモジュールを結合させて運用することが想定されています。Vastによると、最初のHaven-2モジュールは2028年に打ち上げられ、続く2年間に3つのモジュールが追加される予定。その後も2030年から2032年にかけて、直径7mの大型コアモジュールとさらに4つのHaven-2モジュールが追加される計画です。

完成した十字形の宇宙ステーションには各モジュールのドーム窓に加えて、複数の観測窓を備えた大型のキューポラ、外部へのペイロード取り付け機能、ロボットアーム、船外活動用とペイロード用のエアロックなどが備わります。顧客のひとつとなるNASAをはじめ、国際的なパートナー、民間の研究者や製造業者、そして民間宇宙飛行士のニーズを満たせる次世代の宇宙ステーションが実現するとVastは述べています。

【▲ 軌道を周回する商用宇宙ステーション「Haven-2」最初のモジュールの想像図(Credit: Vast)】 【▲ 4つのモジュールが結合した段階の商用宇宙ステーション「Haven-2」の想像図(Credit: Vast)】 【▲ 中央の大型コアモジュールに8つのモジュールが結合して完成した商用宇宙ステーション「Haven-2」の想像図(Credit: Vast)】 NASAのCLDプログラムとは

CLDは2030年で運用を終える予定のISSに代わる商用低軌道宇宙ステーションの開発を支援するプログラムです。2021年12月には設計開発段階のフェーズ1として、Blue Origin、Nanoracks、Northrop Grummanの3社が選定されています(その後Northrop Grummanは独自の計画を取り止めてNanoracksの宇宙ステーション計画に合流)。

NASAは2026年にCLDのフェーズ2として地球低軌道利用サービスの調達先1社を選定する予定です。今回Vastが発表したHaven-2はこのフェーズ2を念頭に置いており、Blue OriginやAxiom Spaceといった商用宇宙ステーション計画を進めている企業と競うことになります。

 

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Source

Vast - Vast Announces Haven-2, Its Proposed Space Station Designed To Succeed The International Space Station (ISS) SpaceNews - Vast releases design of Haven-2 commercial space station

文・編集/sorae編集部

#Vast #Haven-2 #商用宇宙ステーション

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