宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年10月22日、宇宙飛行士候補者の米田あゆさんと諏訪理さんが宇宙飛行士として認定されたことを発表しました。
ISSや月面活動などの基礎訓練項目を修了 今後は宇宙飛行士として各国の訓練に参加米田さんは1995年生まれの29歳で、JAXA入社前は日本赤十字社医療センターの医師として虎の門病院で手術などに対応。諏訪さんは1977年生まれの47歳で、JAXA入社前は世界銀行でアフリカの防災や気候変動対策に携わりました。両名は2023年2月にJAXAの宇宙飛行士候補者として決定したことが発表された後、米田さんは2023年4月から、諏訪さんは2023年7月から基礎訓練を受けていました。
JAXAによると、米田さんと諏訪さんは国際宇宙ステーション(ISS)での活動をはじめ、今後建設が予定されている月周回有人拠点「Gateway(ゲートウェイ)」や月面活動などの様々なミッションに向けた全ての基礎訓練項目を修了。審査委員会の審査を受け、2024年10月21日付で宇宙飛行士として認定されました。今後は宇宙飛行士の訓練が行われているアメリカ航空宇宙局(NASA)のジョンソン宇宙センターを拠点に、日本を含む各国での訓練に参加するということです。
会見で訓練の思い出や宇宙飛行士としての意気込みを語るJAXAは米田さんと諏訪さんの宇宙飛行士認定を発表した翌日の2024年10月23日に記者会見を開催しました。
JAXA有人宇宙技術部門宇宙飛行士運用技術ユニット長の久留靖史さんによる基礎訓練の概況説明に続いて質疑応答に臨んだ米田さんと諏訪さんは、宇宙開発を取り巻く環境が大きく変化しつつある中で、環境に適応しつつ貢献できる宇宙飛行士になりたいと意気込みを語っていました。
1年半にわたる基礎訓練の感想を尋ねられると、米田さんは飛行訓練でソロフライト(単独飛行)の開始を認められるために諏訪さんや先輩らのアドバイスを受けて乗り越えたことや、低圧環境施設での訓練では低酸素症の感覚を体験できたのが興味深かったこと、諏訪さんは航空機による無重力訓練において天井が急に床に感じられた場面でISSでの想像を掻き立てられたことなどをコメント。両名とも総じて楽しい訓練だったと振り返っていたのが印象的でした。
また、NASAが主導する有人月探査計画「Artemis(アルテミス)」では、与圧ローバー(有人月面探査車)を提供する日本の宇宙飛行士に2回の着陸機会が与えられることが2024年4月に日米間で取り決められています。アルテミス計画について尋ねられると、米田さんは月へ行くにあたりチームとして何が必要かを考えさせられた、諏訪さんは今後10年~20年の大きなプロジェクトの中で1人の宇宙飛行士としてできることは何かを常に考えていこうと気持ちを新たにしたとコメントしていました。
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Source
JAXA - 米田あゆ・諏訪理の宇宙飛行士認定について JAXA - 米田あゆ・諏訪理宇宙飛行士認定記者会見 (YouTube)文・編集/sorae編集部
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Last Updated on 2024/10/23