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2024年11月の星空情報 秋の四辺形から様々な星を見つけよう

sorae.jp 2024年11月6日 17時23分

【▲ 2024年11月中旬 20時頃の東京の星空(Credit: 国立天文台)】

11月、夏の熱気は遠のき、朝晩はしんと冷える日も増えてきます。

木枯らしの吹く中に浮かぶ星の光もどこか寂しげですが、今年の11月は夕方から明け方までに、明るい惑星たちの輝きを楽しめます。

日没頃、西の空に輝く星は、太陽系の惑星の一つ「金星」です。光度は-4.1等級(※)と目を射るほどの明るさで、日の光が残る黄昏の空でも簡単に見つかります。

※…金星、土星、木星、火星の等級は日本時間2024年11月15日0:00時点のもの(国立天文台暦計算室 今日のほしぞら参照)

日没から1時間程度経つと、金星を追うように夏の大三角が西の空に現れます。夏の大三角は、「こと座」のベガ、「わし座」のアルタイル、「はくちょう座」のデネブという3つの1等星から構成されている、目印となる星の並びです。

20時頃には黄昏の光も消え去り、星が空を覆います。

南の空高いところには、4つの星からなる「秋の四辺形」があります。その様子はまるで空に開いた天窓のようです。

2等星3つ、3等星1つでできており、夏の大三角に比べると目立ちませんが、秋の空の素晴らしい目印になります。

秋の四辺形を使うと、以下のような星が探せます。

西の辺を結んで南へ延長すると、「みなみのうお座」の1等星 フォーマルハウトに結ばれる 東の辺を結んで南へ延長すると、「くじら座」の2等星 ディフダに結ばれる 北の辺を結んで東へ延長すると、「おひつじ座」の2等星 ハマルに結ばれる 東西の辺を北側に延長して線が交わったところに北極星がある 【▲ 2024年11月中旬 20時頃の東京の星空。一部を拡大した図(Credit: USM, Redshift, Edit: sorae)】

また、今年は秋の四辺形の南側に「土星」があります。光度は0.9等級(※)と、さほど明るくありませんが、秋の星空には明るい星が少ないため、土星の落ち着いた黄白の輝きは良く目立つでしょう。

土星はみずがめ座の位置にあります。みずがめ座は黄道12星座の一つですが、最も明るい星でも3等星であり、やや探しにくい星座です。土星の北西にある「みずがめの三ツ矢」を目印として、全体像をとらえるのに挑戦するのも面白いものです。

さらに時が経ち、深夜0時頃になると、秋の四辺形は西へ傾き、冬の星座が上ります。

特に目を引くのが、「おうし座」と「オリオン座」です。おうし座はオレンジ色のアルデバラン、オリオン座は赤いベテルギウスと青白いリゲルという、色も鮮やかな1等星を持つ華やかな星座です。

おうし座の角の間には、木星があります。光度は-2.8等級(※)と、金星にはかないませんが、1等星の中で最も明るい「おおいぬ座」のシリウスの3倍以上もの明るさを誇ります。

東の空へ目を移すと、火星が見られます。光度は-0.2等級(※)で、ピンクがかった赤い色が特徴的です。

夕方から夜、深夜にかけての星空を眺めると、夏から秋、冬へと移り変わる星座と、個性豊かな惑星を見られます。

星空の移り変わりをじっくり見られるのも、夜の時間が長い秋だからこそ。

秋の夜長、虫の声を聞きながら、回り舞台のように変わりゆく星空を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

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Source

Image Credit: 国立天文台, PhotoAC, USM, sorae 国立天文台 -ほしぞら情報 東京の星空・カレンダー・惑星(2024年11月) 国立天文台 -暦計算室 今日のほしぞら 国立天文台 -火星の接近

文・編集/sorae編集部

最終更新日:2024/11/06

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