宇宙航空研究開発機構(JAXA)は日本時間2024年11月4日に「H3」ロケット4号機の打ち上げを実施しました。搭載されていたXバンド防衛通信衛星「きらめき3号」は正常に分離されたことがJAXAから発表されています。
打ち上げに関する情報は以下の通りです。
打ち上げ情報:H3ロケット4号機ロケット:H3ロケット(H3-22S)
打ち上げ日時:日本時間2024年11月4日15時48分00秒
発射場:種子島宇宙センター大型ロケット発射場(日本)
ペイロード:Xバンド防衛通信衛星「きらめき3号」
H3は日本の新たな主力ロケットとしてJAXAと三菱重工業が開発したロケットです。2023年3月7日に打ち上げられた試験機1号機は2段目エンジンに点火できず、先進光学衛星「だいち3号(ALOS-3)」の軌道投入に失敗。対策を施して2024年2月17日に打ち上げられた試験機2号機は小型副衛星2機の放出やロケット性能確認用ペイロード(VEP-4)による分離確認試験に成功し、続く2024年7月1日に打ち上げられた3号機は先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」の軌道投入に成功しました。
今回のH3ロケット4号機は機体形態にこれまでの3回と同じH3-22S(※1)を採用し、ペイロードとしてXバンド防衛通信衛星「きらめき3号」が搭載されました。Xバンド防衛通信衛星は防衛省のXバンド衛星通信網を構成する3機の静止衛星で、作戦部隊の指揮統制や作戦情報支援といった部隊行動に関わる重要な通信に使用されます。従来はスカパーJSATの衛星が使用されてきましたが、衛星の設計寿命が近付いたことから防衛省は後継機の整備を進めており、2017年1月に「きらめき2号」が、2018年4月に「きらめき1号」が打ち上げられています。
※1…第1段エンジンを2基搭載、固体燃料ロケットブースター「SRB-3」を2基装着、ペイロードを保護するフェアリングはショート形態。
日本時間2024年11月4日15時48分00秒に種子島宇宙センターを飛び立ったH3ロケット4号機は、発射1分56秒後にSRB-3を分離(※発射からの経過時間はJAXA発表の速報値、以下同様)。発射5分1秒後には1段目エンジンが燃焼を停止し、その8秒後に1段目と2段目が分離されました。2段目エンジンは発射5分22秒後から12分51秒後にかけて第1回燃焼、発射24分40秒後から28分51秒後にかけて第2回燃焼を行い、発射29分11秒後に「きらめき3号」を分離して静止トランスファー軌道(GTO※2)へ投入することに成功しました。H3ロケットがGTOに衛星を投入するのは今回が初めてです。
※2…高度約3万6000kmの静止軌道へ入るための一時的な楕円軌道。静止トランスファー軌道(GTO)に投入された衛星は自身のエンジンを使用して静止軌道(GEO)に入る。
打ち上げ関連画像・映像
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JAXA - Xバンド防衛通信衛星「きらめき3号」/H3ロケット4号機打上げライブ中継文/sorae編集部 速報班 編集/sorae編集部
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Last Updated on 2024/11/04