スペースワン株式会社は日本時間2024年12月18日に「カイロス(KAIROS)」ロケット2号機の打ち上げを実施しました。発射後にミッション達成困難と判断したため飛行中断措置を行ったことを、スペースワンが発表しています。
打ち上げに関する情報は以下の通りです。
打ち上げ情報:カイロス2号機 ロケット:カイロス 打ち上げ日時:日本時間 2024年12月18日11時0分 発射場:スペースポート紀伊(日本) ペイロード:超小型衛星5機カイロスはスペースワンが開発した全長約18m・3段式の固体燃料ロケットで、ペイロードの軌道投入制度を高めるための液体推進系キックステージを備えています。同社は契約から打ち上げまでの「世界最短」と打ち上げ頻度の「世界最高頻度」を目指すとしています。
カイロス初号機は2024年3月13日に打ち上げられましたが、発射約5秒後にロケットの自律飛行安全システムによる飛行中断措置が自律的に行われて射場直上で爆発し、衛星の軌道投入は達成されませんでした。スペースワンによると、初号機が飛行中断に至ったのは推進薬の燃焼速度を予測するプロセスに問題があったためだとされています。2号機以降の打ち上げに向けた対策として、問題があった推進薬燃焼速度の予測プロセスの改善と、初号機では厳しめに設定されていた飛行正常範囲の設定見直しを講じたと同社は発表していました。
テラスペースの「TATARA-1」など5機の超小型衛星を搭載したカイロス2号機は、2024年12月18日11時0分にスペースポート紀伊から発射されました。その後、ミッション達成困難と判断したため飛行中断措置を行ったことをスペースワンが発表しています。【最終更新:2024年12月18日12時10分】
【2024年12月18日16時0分追記】スペースワンは2024年12月18日14時30分からカイロス2号機の打ち上げ結果に関する記者説明会を開催しました。同社の説明によると、カイロス2号機は2段目での飛行中となる発射約3分7秒後、ロケットに搭載されている自律飛行安全システムによって自律的に飛行中断措置が行われました。最高到達高度は110.7kmとされています。
発射3時間30分後に始まった会見の時点ではまだ飛行データの一部が確認されたのみという状況でしたが、スペースワンによれば、カイロス2号機は発射約1分20秒後に1段目ノズルの駆動制御(※燃焼ガスを噴き出すノズルの向きを変えて飛行方向を制御するための機能)で異常が発生し、ノズルの角度が通常の状態よりも大きかったことが確認されています。発射2分21秒後には1段目と2段目が分離しましたが、この時の2段目は西へ向かうように1段目から分離したとみられています。分離から1秒後には2段目が点火されたものの、その後の飛行経路は西側へと逸れていき、計画飛行経路の限界線を超えたために飛行中断措置が行われたことが考えられるということです。
打ち上げ関連画像・映像
Source
スペースワン - 公式ウェブサイト 和歌山県庁成長産業推進課 - 【12/18配信】カイロスロケット2号機打上げライブ配信 (YouTube)文/sorae編集部 速報班 編集/sorae編集部
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