こちらは「くじら座(鯨座)」の方向約6000万光年先の棒渦巻銀河「NGC 337」です。明るい中心部分の棒状構造を取り巻く渦巻腕(渦状腕)は淡く拡散するように広がっており、柔らかな印象を受ける銀河です。
NGC 337では2011年5月に「SN 2011dq」、2014年9月に「SN 2014cx」と呼ばれる超新星が見つかっており、どちらも大質量星が起こすタイプの「II型超新星」だったとみられています。II型超新星は進化した大質量星内部の核融合反応によって鉄のコア(中心核)が生成されるようになった頃、核融合のエネルギーで自重を支えることができなくなったコアが崩壊し、その反動によって恒星の外層が吹き飛ぶことで爆発に至る現象だと考えられています。
冒頭の画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータを使って作成されたもので、欧州宇宙機関(ESA)から“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として2024年12月23日付で公開されています。ハッブル宇宙望遠鏡による最近のNGC 337の観測は、II型超新星が発生する環境をより深く理解するための研究の一環として2024年9月に実施されています。
まるで輝く“宇宙の目” ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河「NGC 2566」(2024年12月17日)
Source
ESA/Hubble - A supernova checkup文・編集/sorae編集部
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