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スペースX、日米民間の月着陸機「ブルーゴースト」「レジリエンス」打ち上げ成功

sorae.jp 2025年1月17日 7時45分

アメリカの民間企業SpaceX(スペースX)は日本時間2025年1月15日に「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットの打ち上げを実施しました。搭載されていた2機の月着陸機は無事分離されたことを同社などが報告しています。

打ち上げに関する情報は以下の通りです。

打ち上げ情報:Falcon 9 (Blue Ghost Mission 1, HAKUTO-R Mission 2) ロケット:Falcon 9 打ち上げ日時:日本時間 2025年1月15日15時11分 発射場:ケネディ宇宙センター(アメリカ) ペイロード:Blue Ghost, RESILIENCE Blue Ghostについて

ペイロードの1つ「Blue Ghost(ブルーゴースト)」は、アメリカの民間企業Firefly Aerospace(ファイアフライ・エアロスペース)が開発した月着陸機です。

Firefly Aerospaceによる初の月着陸となる今回のミッションは「Blue Ghost Mission 1」と呼ばれていて、アメリカ航空宇宙局(NASA)の商業月輸送サービス(CLPS)の下で実施されます。同社によると、Falcon 9から分離後のBlue Ghostは通信の確立に続いて軌道上試運転とペイロードの初期点検が完了し、一部のペイロードによる観測が始まりました。

Blue Ghostは月面下最大10フィートで測定できる熱流量計や、既存の全地球航法衛星システム(GNSS)の信号を月への移動中・月周回中・月面で利用できるかどうかを実証する受信器など10のペイロードを搭載。打ち上げから1か月半後の2025年3月2日に危難の海(危機の海、Mare Crisium)にあるラトレイユ山(Mons Latreille)の近くへ着陸する予定です。

RESILIENCEについて

もう1つのペイロード「RESILIENCE(レジリエンス)」は、日本の民間企業ispaceの月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2 “VENTURE MOON” の月着陸機です。

ispaceによると、Falcon 9から分離後のRESILIENCEは管制室との通信が確立され、機体姿勢の安定と軌道上での安定した電力供給の確立が確認されました。RESILIENCEはispace EUROPEが開発した小型月面探査車(マイクロローバー)「TENACIOUS(テネシアス)」など6のペイロードを搭載。打ち上げから4~5か月後に寒さの海(Mare Frigoris)の中央付近へ着陸する予定です。

今回はispaceにとって2回目の月着陸ミッションです。1回目のHAKUTO-Rミッション1で同社は日本初・民間企業初の月面軟着陸を目指したものの、ミッションの計画段階で生じた着陸地点の変更にともなうソフトウェアの問題によって推定高度に誤差が生じ、2023年4月26日に試みられた軟着陸は失敗に終わっています。

関連画像・映像 【▲ 日米の民間企業2社の月着陸機を搭載して打ち上げられたSpaceX(スペースX)の「Falcon 9(ファルコン9)」ロケット(Credit: SpaceX)】 【▲ アメリカの民間企業Firefly Aerospace(ファイアフライ・エアロスペース)の月着陸機「Blue Ghost(ブルーゴースト)」(Credit: Firefly Aerospace)】 【▲ 日本の民間企業ispaceの月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2の月着陸機「RESILIENCE(レジリエンス)」(Credit: ispace)】 【▲ Falcon 9(ファルコン9)ロケット2段目から分離されたHAKUTO-Rミッション2の月着陸機「RESILIENCE(レジリエンス)」。SpaceX(スペースX)のライブ配信から(Credit: SpaceX)】 【▲ 月着陸機「Blue Ghost(ブルーゴースト)」のカメラで分離後に撮影された画像(Credit: Firefly Aerospace)】 関連リンク 直近のロケット打ち上げ情報 ispace「HAKUTO-R」ミッション2の月着陸機など早ければ1月15日に打ち上げへ(2025年1月9日)

 

Source

SpaceX - Firefly Blue Ghost Mission 1 Firefly Aerospace (X) ispace (X)

文/sorae編集部 速報版 編集/sorae編集部

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