アメリカの民間企業SpaceX(スペースX)は日本時間2025年1月17日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による第7回飛行試験を実施しました。
1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」は発射台へ帰還することに成功したものの、2段目のStarship宇宙船はエンジン燃焼終了予定時刻の前に通信が途絶えており、機体は分解した模様です。Starship第7回飛行試験の詳細についてはSpaceXから新しい情報が発表され次第お伝えします。【最終更新:2025年1月17日8時台】
Starshipは1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長123mの再使用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。液体メタンと液体酸素を使用する「Raptor(ラプター)」エンジンをStarship宇宙船は6基(大気圏内用3基・真空用3基)、Super Heavyは33基搭載しています。
SpaceXによると、両段を再使用する構成では100~150トンのペイロード(搭載物)を打ち上げ可能。2段目のStarship宇宙船は単体でも準軌道飛行(サブオービタル飛行)が可能で、地球上の2地点間を1時間以内に結べるとされています。
また、Starship宇宙船はアメリカが主導する月探査計画「Artemis(アルテミス)」の月着陸船「HLS(Human Landing System、有人着陸システム)」のひとつとしても採用されており、アメリカ航空宇宙局(NASA)によれば同計画初の有人月面着陸を行う「Artemis III(アルテミス3)」ミッションでHLS仕様のStarship宇宙船が使用される予定です。
SpaceXはアメリカ・テキサス州ボカチカの同社施設「Starbase(スターベース)」を拠点にStarshipの開発を進めていて、これまでにSuper Heavyも含めたStarship打ち上げシステム全体の飛行試験を2023年4月から2024年11月にかけて合計6回実施しています。今回は7回目の無人飛行試験で、計画ではSuper Heavyブースターは発射約7分後に発射台へ帰還し、Starship宇宙船は発射約1時間6分後にインド洋の目標地点へ着水することになっていました。
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Source
SpaceX - Starship's Seventh Flight TestSpaceX (X)
文・編集/sorae編集部