こちらはアメリカの民間企業Firefly Aerospace(ファイアフライ・エアロスペース)の月着陸機「Blue Ghost(ブルーゴースト)」が撮影した地球の画像とタイムラプスです。同社によると、これらの画像は地球を周回しているBlue Ghostの軌道の遠地点(地球から最も離れる軌道上の一点)を調整するために2025年1月24日に実施されたエンジン噴射中に撮影されました。
【▲ Firefly Aerospace(ファイアフライ・エアロスペース)の月着陸機「Blue Ghost(ブルーゴースト)」が撮影した地球のタイムラプス】
(Credit: Firefly Aerospace)
Blue Ghostは日本時間2025年1月15日、日本の民間企業ispaceの月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2 “VENTURE MOON” の月着陸機「RESILIENCE(レジリエンス)」とともに、SpaceX(スペースX)の「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットで打ち上げられました。
現在のBlue Ghostは打ち上げから3週間半ほど続く地球周回フェーズの段階にあり、月遷移軌道投入に備えた軌道の調整や、月への移動中・月周回中・月面で既存の全地球航法衛星システム(GNSS)の信号を利用できるかどうかを実証する受信器「LuGRE(Lunar GNSS Receiver Experiment)」の運用などが行われています。月面への着陸は2024年3月2日の予定です。
一方、ispaceのRESILIENCEも同社によると良好な状態で飛行を続けています。2025年1月18日にはペイロードのひとつである台湾中央大学の深宇宙放射線プローブ(Deep Space Radiation Probe: DSRP)の動作確認が行われ、放射線環境の観測が開始されました。DSRPは地球周辺・深宇宙・月面の放射線環境を継続的に観測する予定で、得られた放射線量のデータは将来の月面ミッションに役立てられることが期待されています。
現在のRESILIENCEもまた地球を周回する段階にあります。RESILIENCEは打ち上げから約1か月後の月スイングバイを行った後に低エネルギー遷移軌道(※)へ入り、打ち上げから4~5か月後に月面へ着陸する予定です。
※…low-energy transfer orbit。飛行するのに時間はかかるものの、少ない推進剤で月へ向かうことができるタイプの軌道。
Source
Firefly Aerospace - Blue Ghost Mission 1 Firefly Aerospace (X) ispace - ispace、ミッション2のRESILIENCEランダーに搭載された 深宇宙放射線プローブが放射線観測を開始 ispace (X)文・編集/sorae編集部