宇宙航空研究開発機構(JAXA)は日本時間2025年2月2日に「H3」ロケット5号機の打ち上げを実施しました。JAXAは公式ライブ配信にて、搭載されていた準天頂衛星システム(QZSS)「みちびき」6号機の分離確認と打ち上げ成功を発表しています。
打ち上げに関する情報は以下の通りです。
打ち上げ情報:H3ロケット5号機 ロケット:H3ロケット(H3-22S) 打ち上げ日時:日本時間2025年2月2日17時30分0秒 発射場:種子島宇宙センター大型ロケット発射場(日本) ペイロード:準天頂衛星システム(QZSS)「みちびき」6号機(QZS-6) みちびき6号機について「みちびき」はアメリカの「GPS」との互換性を確保した日本の衛星測位システムです。現在の「みちびき」は4機体制で運用されていますが、内閣府は測位精度のさらなる向上と、他国の衛星測位システムに依存しない「みちびき」だけでの持続的な測位を実現するべく、2026年度からは7機体制(将来的には11機体制)で運用することを目指しています。「みちびき」6号機は7機体制に向けて新たに打ち上げられる3機の衛星の1つで、静止軌道で運用されます。
これまでに打ち上げられた「みちびき」の衛星との大きな違いとして、6号機にはJAXAが開発を進めている高精度測位システム(ASNAV)の実証用アンテナが搭載されています。JAXAは、将来「みちびき」の衛星すべてに高精度測位システムが搭載されれば、スマートフォンのような一般的な受信機の測位精度は現在の5~10mから1m程度にまで向上することが期待されるとしています。
日本時間2025年2月2日17時30分0秒に種子島宇宙センターを飛び立ったH3ロケット5号機は、発射1分57秒後にSRB-3を分離(発射からの経過時間はJAXA発表の速報値、以下同様)。発射5分1秒後には1段目エンジンが燃焼を停止し、その10秒後に1段目と2段目が分離されました。2段目エンジンは発射5分23秒後から12分46秒後にかけて第1回燃焼、発射24分18秒後から28分43秒後にかけて第2回燃焼を行い、発射29分3秒後に「みちびき」6号機を分離して静止トランスファー軌道(Geostationary Transfer Orbit: GTO※)へ投入することに成功しています。
※…高度約3万6000kmの静止軌道(Geostationary Orbit, GEO)へ入るための楕円軌道。
【最終更新:2025年2月2日20時45分】打上げ経過記者会見の内容を反映して記事本文を更新しました。
打ち上げ関連画像・映像
Source
JAXA - 「みちびき6号機」(準天頂衛星)/H3ロケット5号機打上げライブ中継 (YouTube) JAXA - H3ロケット5号機による「みちびき6号機」(準天頂衛星)の打上げ結果文/sorae編集部 速報班 編集/sorae編集部