ロケットの打ち上げや着陸で成功を積み重ねていたスペースXに、まさかのトラブルです。同社のファルコン9ロケットはフロリダのケープカナベラルにて打ち上げ前試験を行なっていたのですが、9月1日午前9時07分にまさかの大爆発を起こしました。
この事故は、地上でロケットエンジンを数秒点火する「スタティック・ファイア・テスト」の最中に起きました。事故の原因として、同社は「ロケット上段の酸素タンク」のトラブルを指摘しています。ただしこれがロケット自体の欠陥なのか、あるいは打ち上げ施設の欠陥なのかはまだはっきりしていません。また事故によるけが人は出ませんでしたが、爆発の衝撃は数マイル先にも伝わったそうです。
このファルコン9には人工衛星「Amos 6」が搭載されていました。Amos 6はイスラエルの宇宙開発企業「スペースコム」の通信衛星で、アフリカのサハラ砂漠以南にFacebookの「Internet.org」計画としてインターネットを提供する予定だったのです。なお、このAmos 6は2012年に製造元のイスラエル・エアロスペース・インダストリーズからスペースコムに1億9500万ドル(約200億円)で売却されたものです。
従来の予定だと、このAmos 6はファルコン9に搭載されて今週土曜日03時に打ち上げられる予定でした。また今回行われたスタティック・ファイア・テストも従来通りの打ち上げ手順となっており、今後の爆発原因の調査が必要とされています。
Photo of the explosion at the SpaceX launch site at Cape Canaveral this morning. pic.twitter.com/RWUKLGq6v4
— Mike Gruss (@Gruss_SN) 2016年9月1日
なお、昨年6月にもスペースXのファルコン9は打ち上げに失敗して爆発し、その後同社は6ヶ月間ロケットの打ち上げを行いませんでした。しかし同年12月にはロケットの打ち上げと着陸に成功し、その次には洋上のドローン船への着陸にも挑戦しています。
そして、スペースXはファルコン9の第一段階を3つ束ねた「ファルコン・ヘビー」の初打ち上げを年内に計画しています。さらに来年には、同社はNASAとの契約の元宇宙飛行士をISS(国際宇宙ステーション)へと輸送する計画です。そして、2018年には火星へと民間初の探査機を送り込む予定です。このような将来的な計画を順調に遂行するためにも、今回の爆発事故の原因究明が徹底的に行われることでしょう。
Image Credit: Space X
■SpaceX’s Falcon 9 explodes on Florida launch pad during rocket test preparations
http://www.theverge.com/2016/9/1/12748752/spacex-launch-site-explosion-cape-canaveral-florida?utm_source=rss&utm_medium=rss