ESA(欧州宇宙機関)による彗星探査機「ロゼッタ探査機」がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に衝突してミッションを終えてから数日が経ちましたが、ロゼッタ探査機からはその衝突の寸前までに撮影されたさまざまな画像が地球へと送り届けられています。
2004年に打ち上げられたロゼッタ探査機とフィラエ着陸機は、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星への到達まで10年を要しました。その後2年にわたって、搭載バッテリーが尽きるまで同彗星を観測したのです。
そしてロゼッタ探査機は最後に、時速2マイル(時速約3km)というゆっくりとしたスピードで、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星へと衝突しました。ですので、今回のように精細な彗星の表面画像を撮影し、送信することができました。
上の画像は、彗星まで15.5kmの上空で撮影したものです。同彗星は2つの岩を組み合わせたような形をしており、こちらはその「頭」の部分。画像の幅は約3.2kmとなっています。
そして、これがロゼッタが最後に捉えた画像です。撮影に利用されたのはOsiris広角カメラで、想定撮影高度は約20m。残念ながら、ずいぶんとぼやけた画像となってしまっています。
もちろん、今回撮影された画像は科学者によって詳細に分析されます。また探査機の派遣で得られたのは画像データだけでなく、磁気フィールドからウォータージェットに関するものまでさまざま。今回の観測がいかに実り多い物だったのかがわかります。
彗星の観測では「初期の太陽系の姿」を解き明かすことが期待されていますが、いつかこのような研究が、私達生命の起源の解明にもつながる日がくるのでしょうか。
Image Credit: NASA
■This is what it looks like to crash (very, very softly) onto a comet
http://www.theverge.com/2016/9/30/13120832/rosetta-final-images-comet-67p?utm_source=rss&utm_medium=rss