将来の宇宙旅行では打ち上げの効率化だけでなく、いざという時のための事故回避技術も重要になってきます。そんな状況を見越して、宇宙開発企業のブルー・オリジンはニュー・シェパードロケットの打ち上げと着陸、それに宇宙船カプセルの脱出テストをあわせて成功させました。(打ち上げは下動画の1時間6分頃〜)
今回のテストは、「ニュー・シェパードロケットの打ち上げ最中にトラブルが発生」したことを想定して行われました。ロケットの打ち上げから45秒後に退避システムが動作し、上段の宇宙船カプセルがロケットから分離。そして退避用モーターが2秒間燃焼したあとに、パラシュートによって宇宙船カプセルは無事に着地しています。
このように今回は宇宙船カプセルの安全性が確認されただけでなく、ブースターロケットの安定した飛行性能にも注目することができます。退避用モーターの排熱や圧力があったにも関わらず、ブースターは何事もなかったかのようにさらなる上昇と着地を成し遂げたのです。ロケットの安全性と確実性が着目されだした昨今、今回の成功はブルー・オリジンにとって追い風となることでしょう。
現在、ブルーオリジンはニュー・シェパードロケットによる宇宙旅行を計画しています。この宇宙旅行では地上約100kmまで6人乗りの宇宙船を打ち上げ、乗員は無重力体験や漆黒の宇宙空間を眺められる予定です。また打ち上げに利用されるブースターは再点火することで地上に着陸し、再度の打ち上げに利用されます。
同社の計画では来年にテストパイロットを載せての打ち上げを行い、2018年には実際に乗客を乗せての打ち上げが予定されています。宇宙旅行チケットの価格は未発表ですが、今から貯金を始めるのも悪くないかもしれませんね!
Image Credti: Blue Origin
■Blue Origin’s New Shepard rocket lands in the Texas desert after a successful escape system test
http://www.theverge.com/2016/10/5/13173962/blue-origin-new-shepard-rocket-launch-escape-system-test?utm_source=rss&utm_medium=rss