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ボーイングの有人宇宙船「スターライナー」、有人初飛行をまたしても延期へ

sorae.jp 2016年10月13日 9時0分


 
着々と進むNASAによる宇宙開発の民間委託ですが、すこし残念なお知らせです。ボーイングが開発中のカプセル型有人宇宙船「CST-100 スターライナー」の有人初飛行が、2018年の12月以降に再延期されることとなりました。
 
現在ボーイングとイーロン・マスクが率いるスペースXはISS(国際宇宙ステーション)への人員輸送のために、NASAと契約を結んでいます。このスターライナーもそのために利用される予定でしたが、2017年を予定していた初飛行はこれまでに2回延期されています。
 
なお、遅れの原因は製造過程や資格関連のテストにもあるとしています。また9月には圧力に耐えるためのドームにも問題が見つかっており、開発は順調に進んでいるわけではないようです。さらに発射台上での緊急事態に備えたテストを2018年の1月に通過する必要もあるなど、今後も開発における山場が待ち受けています。
 
現在NASAは宇宙飛行士の輸送をロシアの宇宙船「ソユーズ」に頼っていますが、このスターライナーやスペースXの「ドラゴンV2」宇宙船が完成すれば、アメリカ企業による宇宙飛行士の輸送が可能になります。ソユーズでの宇宙飛行士の打ち上げは一人あたり8000万ドル(約83億円)とたいへん高騰しており、CST-100やドラゴンV2が完成すれば大幅なコストカットが見込めるのです。また、CST-100はユナイテッド・ローンチ・アライアンスのアトラスVロケットに積載される予定です。
 
このように大変魅力的なNASAと民間企業による商業宇宙飛行士輸送ですが、その日程は当初の予定の2015年から2017年へと遅延しており、今後もさらなる遅れが予想されています。NASAは今後も宇宙開発において、ロシアの協力を仰ぐ必要に迫られそうです。
 
Image Credit: Boeing
■Boeing delays the first crewed flights of its Starliner spacecraft — again
http://www.theverge.com/2016/10/11/13245072/boeing-starliner-flight-delayed-2018-production-flaw?utm_source=rss&utm_medium=rss

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