ぐるりと周囲を取り囲む環が特徴の「土星」ですが、その北極側で奇妙な現象が観測されました。なんと、その色が時期によって変わっているというのです。
今回の土星画像を撮影したのは、NASAの探査機「カッシーニ」。撮影時期は2012年の11月と2016年の9月です。まだ正確な原因は特定できていませんが、この現象は周期的な変化と木星の特徴的な6角形のジェト気流が関連しているものと思われます。上の画像でも、不思議な6角形のかたちが見て取れますね。
土星の北極側には3万2000kmにもおよぶ「6角形のジェット気流」が存在。そしてこのジェット気流は時速322kmというスピードで、土星大気をかき混ぜています。今回の色の変化としてはこのジェット気流がバリアのように働き、周囲の粒子の侵入を防いでいるというのです。そして7年に渡る「土星の冬」の間に北極の空がクリアになり、また季節が変わって太陽光にさらされるにつれて粒子が観察できるようになったというのが現在の予測です。
また、光化学的なモヤやエアロゾルは太陽光によって引き起こされます。そして土星は2009年8月に春分をむかえており、それ以来北極側は太陽光を強く浴び続けています。それによってエアロゾルが北極側に蓄積され、その色が青から金色に変わったようなのです。しかし一方で、この色の変化は太陽光による温度変化や風向きの変化による可能性もあります。なかなかその原因の特定は難しそうです。
なお、カッシーニは2017年にミッションを終える予定です。ミッション終了までもう長くはありませんが、今後も土星がどのような変化を見せるのかを教えてほしいものです。
Image Credit: NASA
■Saturn’s North Pole Has Changed Color, But Why?
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