飛行機の主翼が上向きにしなっているのを窓から見たことのある人も多いと思いますが、今回はもう少しアクティブな方式です。NASAとMITのエンジニアは、飛行機の翼を能動的にしならせることによって飛行効率を大幅に改善する技術を現在研究しています。
「Digital Morphing Wing」と名付けられたこの技術では、翼の内部がカーボンファイバーからできた複数の球(もしくは立方体)のような構造から成り立ちます。この構造は十分な強度と硬度をもち、さらに軽量なことがテストで実証されています。そして翼の表面を覆うのは、軽量なポリアミドフィルム。これらを2つの小さなモーターで能動的に駆動するのです。
現代の飛行機では、翼の端をすこし曲げた「ウィングレット」が装着されることがあります。これは空気抵抗を減らして飛行効率を上げるためにあるのですが、その改善率は5〜6%とそれほど大きなものではありません。しかし完全に新設計の飛行機なら、70%も燃料消費をカットできる可能性があるそうです。
またDigital Morphing Wingは燃費の向上だけでなく、よりスムースで静かな機動にも寄与するとしています。さらに研究者たちは、このレゴのような構造を組み合わせて「変形する飛行機」を作ることを目指しているのです。また飛行機だけでなく、船舶などへの応用もあり得るとしています。
すでに航空機の燃費の向上技術はかなり煮詰まっていると思っていたのですが、このような変形する翼でさらなる改善が見込めるとは驚きです。もし実際に航空機の燃費が向上すれば、飛行機のチケットがもっと安くなるかもしれませんね!
Image Credit: NASA
■Airplane Wing Actively Morphs for More Agile, Efficient Flying
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