先月28日に衆議院で可決された、民間宇宙開発の枠組みとなる「宇宙活動法案」「衛星リモートセンシング法案」。こちらが11月9日に参議院でも可決され、無事法案が成立しました。
まず宇宙活動法とは、民間によるロケット打ち上げを促進するものです。これまではJAXAと三菱重工が担ってきた人工衛星の打ち上げを許可制にすることで、民間企業にも開放。また政府が安全基準を設け、保険を義務付けることでより活発かつ安全な宇宙開発が可能になります。
そして衛星リモートセンシング法案とは、民間企業の地球観測衛星が撮影したデータの取扱について定めたものです。地上施設には安全保障の観点、あるいはプライバシーの問題から撮影に支障がある場合があり、その場合に政府が画像の販売や配布を禁止することができます。
このような法案では「なにか宇宙開発が規制されてしまうのかな……?」と心配する方がいるかもしれませんが、実はむしろ民間企業による宇宙開発を後押しするために制定されたものです。新規事業においては「なをしていいいのか、なにをしてはいけないのか」というガイドライン引きは非常に重要で、それがあるからこそ民間企業は安心して事業に投資し、開発を進められるのです。これは、ドローンビジネスの促進のために改正された「新航空法」についても同じことがいえます。
現在国内ではインターステラズテクノロジズ株式会社などが民間企業によるロケットの打ち上げを目指しています。同社のプロジェクトは、ロケット「モモ」を高度120kmの宇宙空間に打ち上げるというもの。さらに、将来的には人工衛星の打ち上げも目指してます。最近は中国による宇宙開発が世を賑わせていますが、同じように日本の宇宙開発も行政と民間の力で推進されることを願いたいですね!
Image Credit: インターステラズテクノロジズ株式会社
■宇宙関連2法が参院本会議で可決・成立
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