今年9月には米国に渡り、試験飛行を開始した三菱航空機のリージョナルジェット「MRJ」。戦後旅客機としてはYS-11に続き、ジェット旅客機としては国産初となるMRJは、現在納入時期などの問題で苦しい立場に立たされています。そんなMRJも、本日11月11日には初飛行から1周年を迎えました。
プラット・アンド・ホイットニー社製の最新エンジン「PurePower PW1200G」を2基搭載するMRJは、すぐれた空力性能も相まって高燃費かつCO2排出量の削減を実現。88席タイプのMRJ90と76席タイプのMRJ70のバリエーションが存在し、100席以上のMRJ100Xも計画されています。その最大航続距離は3,500kmを超え、北米やヨーロッパ全域をカバーすることが可能です。また貨物室を機体後方に設定することで、広くて快適な座席レイアウトを実現しています。
さてそのMRJですが、2008年にANA(全日本空輸)から受注を受けて三菱航空機が設立され事業がスタート。当初はなんと2013年に初納入を行う予定でした。さらに、JAL(日本航空)を含めて世界から400機以上の受注獲得に成功しています。しかしその後、数度に渡って納入時期は延期。現時点では2018年後半の納入が予定されていますが、各種報道からは2019年に納入がずれ込む可能性も伝えられています。
このような度重なる納入時期の延期により、ライバルとなるエンブラエルのE-Jet E2の納入が同時期に迫るなど、MRJ導入のメリットは徐々に減りつつあります。現在は初号機が、そして今後は2号機〜4号機もアメリカにて型式証明取得のためのテストを行なうMRJですが、苦境を乗り越えて世界の空に羽ばたく日を一日も早く見てみたいものです。
Image Credit: 三菱航空機
■三菱航空機
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