衛星によるインターネットは現在も広く利用されていますが、イーロン・マスク氏が率いるスペースXはさらにそれを発展させようとしてます。同社はあらたに、4,425個の衛星による低レイテンシー(低遅延)/ギガビット級の衛星インターネット構想を提出しました。
同社がFCC(連邦通信委員会)に提出した資料によれば、この計画では早ければ2019年に衛星打ち上げが開始されます。衛星の打ち上げ高度は715〜823マイル(約1150〜1300km)のLEO(地球低軌道)と、例えば米企業による他の衛星インターネットサービス「HughesNet」の高度2万2000マイル(3万5000km)よりかなり低いものです。また、それぞれの衛星は10GHzから30GHzのバンドを利用し、合計の下り通信速度は17〜23Gbpsに達します。
資料によれば、スペースXの衛星インターネットは「衛星の展開が完了すれば、一人あたり最高で1Gbpsのインターネット通信を民間やビジネス向けに、世界規模で提供する」としています。さらにスペースXは衛星からゲートウェイ、そして家庭の壁や屋根に取り付ける端末までも自社で製造し、提供するんだとか。かなり野心的な計画ですね。
そして、スペースXの衛星インターネットは25〜35ms(ミリセカンド)と、低レイテンシーな通信を可能にします。従来の衛星インターネットが600ms以上も通信に時間がかかっていたことを考えれば、圧倒的に快適な通信が可能になりそうです。
同社の計画では800機の衛星で米国を含む国際的なサービス展開が可能になり、また全ての衛星の打ち上げによって地球上すべてにおよぶ衛星インターネットを提供。また、その通信速度も打ち上げ数の増加に伴い徐々に向上します。さらに衛星同士の通信により、フレキシブルかつ効率的にトラフィックを処理する事ができるのです。
現在はフェイスブックなどがドローンによる空からのインターネットサービスを計画していますが、スペースXの衛星インターネット計画もなかなか興味深いものです。これも衛星の打ち上げを自社で行えるるスペースXならではの、壮大なプランといえますね。
Image Credit: Space X Photos/123rf
■SpaceX plans worldwide satellite Internet with low latency, gigabit speed
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