NASAは20日、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の新型静止気象衛星「GOES-R」の打ち上げに成功したことを発表しました。フロリダのケープ・カナベラル空軍基地からアトラスVロケットにより打ち上げられたこのGOES-Rは、これまでの気象予報や警報の精度を大きく向上させることが期待されています。
GOES-Rは4つの新型静止気象衛星のうちの最初の一台で、NOAAに言わせれば「白黒テレビがハイビジョンTVに変わるくらいの進歩」が成し遂げられています。具体的にはより多くのデータを高頻度に、そして精細かつ高解像度で得ることにより、正確な気象予報や素早い警報の発令が可能なのです。
静止気象衛星のGOESシリーズの16代目となるGOES-Rは赤道上の地上3万5890kmにて、地球の自転と同じスピードで軌道上を周回します。そして搭載された6つの観測機器は、2006年や2010年に打ち上げられたGOES-EastやGOES-Westから大幅にアップグレード。例えば観測機器「ABI」は従来の5倍のスピードで地上スキャンすることができます。さらに同衛星は静止衛星として初めて雷光観測システム(GLM)を搭載。またGOES-Rは複数の衛星で太陽表面を撮影とエネルギーの観測を並行して行い、「太陽嵐」などの観測も行います。
ただし、GOES-Rが観測を開始するのは今から1年後。観測開始後はGOES-EastかGOES-Westのどちらかを置き換えます。そしてGOES-S、GOES-T、GOES-Uが2018年、2019年、2024年に打ち上げられる中、10年間の運用が行われるのです。また、これらの4つの静止気象衛星は少なくとも2036年まで観測を行います。
日本も先日には静止気象衛星「ひまわり9号」の打ち上げに成功しています。私達の暮らしを直接支える気象衛星の役割は、今後も大きくなりそうです。
Image Credit: United Launch Alliance
■Powerful Next-Gen Weather Satellite Launches to Begin Forecasting ‘Revolution’
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