国際宇宙ステーション(ISS)に向けた貨物/宇宙飛行士の輸送ミッション契約をNASAと結んでいる、スペースX。イーロン・マスク氏が率いる同社は新たに、NASAと科学観測衛星の打ち上げを結んだことが明らかになりました。
スペースXが2021年の4月にカリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地からファルコン9ロケットで打ち上げることになるのは、陸水や海面の高度を観測する衛星「SWOT」。同社がNASAから衛星の打ち上げ契約を勝ち取ったのは2012年の海洋観測衛星「Jason-3」、2017年の惑星探査衛星「TESS」に続く3度目となります。
SWOTはフランスの宇宙機関「CNES」との共同ミッションで、陸水だけでなく海面の変化を長期間に渡り観測することで海底地形を調べたり、海洋物理学への貢献が期待されています。衛星自体の重さは2,000kgほどになり、極軌道に近い軌道を3週間で2回周回して全世界をカバーする予定です。また、衛星の製造はCNESと契約を結んだタレス・アレーニア・スペースが行います。
今回の契約でNASAは1億1200万ドル(約126億円)を支出し、費用の中には打ち上げだけでなく衛星の処理や積荷の統合、トラッキング、データやテレメトリのサポートも含まれます。この費用は前述の2衛星(それぞれ8200万ドル、8700万ドル)、そしてスペースXの公式サイトで案内されている6200万ドルよりもかなり高いもの。これはスペースXによる追加サービスや衛星打ち上げの保険、さらには他の宇宙関連機関への支払いを含んでいるためです。
現在は人口増加や産業の発展とともに水資源の確保が重要な課題となっていますが、このような観測衛星がその役に立つ日がくるのかもしれませんね。
Image Credit: Thales Alenia Space artist’s concept
■SpaceX wins contract to launch NASA Earth science mission
http://spacenews.com/spacex-wins-contract-to-launch-nasa-earth-science-mission/?utm_source=rss&utm_medium=rss