値段を聞けば、誰でもそう思います。現在米国政府はボーイング747-8をベースとした新エアフォース・ワン(大統領専用機)の製造に関する契約を抱えているのですが、その額なんと40億ドル(約4500億円)以上! このあまりの高額っぷりに、大統領選に勝利したドナルド・トランプ氏は「高すぎる、キャンセルしろ」と憤っているのです。
Boeing is building a brand new 747 Air Force One for future presidents, but costs are out of control, more than $4 billion. Cancel order!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2016年12月6日
40億ドル以上といえば、開発費を含めた全プログラムコストが1機あたり20億ドル以上の「B-2爆撃機」の、約2倍。大統領の安全の価値は爆撃機より遥かに高いとはいえ、この価格はどういうことだろう……と思わず首をかしげてしまいます。
現在合衆国政府はエアフォース・ワンとして、ボーイング747-200Bベースの機体を20年以上利用しています。そしてボーイング747-8から製造される新エアフォース・ワンはより大きくパワフルで、長距離の飛行が可能。さらに、核攻撃を想定した電磁パルスシールドや放射線遮断シールドを搭載し、これらが価格上昇につながるとされているのです。その他にも給油なしでの数日間の飛行や量産機からのスピードアップ、低CO2排出性能……など、新エアフォース・ワンにはありとあらゆる最先端技術が搭載される予定なのです。
なお、ボーイング747-8自体は1機あたり約2億2500万ドル(約260億円)と目が飛び出るほど高価というわけではありません。しかし2機のボーイング747-8をエアフォース・ワンとして改造することで、総コストは40億ドル以上にまでふくらむというのです。また米空軍は現時点ではエアフォース・ワンを2機発注するのか、それとも3機発注するのかについては明かしていません。
また、トランプ氏は自家用ジェットとしてボーイング757を所有しています。下の動画を見る限り、ゴージャスさではこちらのほうが上かも……? トランプ氏はこのボーイング757をエアフォース・ワンとして利用したいと以前語っていましたが、果たして今でもそう思っているのでしょうか?
Image Credit: The Verge
■Trump’s Boeing beef ignores the high costs of building a plane that can withstand a nuclear blast
http://www.theverge.com/2016/12/6/13857444/trump-tweet-air-force-one-boeing-nuclear-blast?utm_source=rss&utm_medium=rss