新たに「土星の環(Fリング)」のへの接近観測ミッションを開始した、土星探査機「カッシーニ」。この20回にわたって土星の環のそばを通過しさまざまな観測を行なうミッションの初めとして、カッシーニは土星の大気の詳細画像を地球へと送信しました。画像からは、土星の北極にある特徴的な「六角形のジェット気流」が観察できます。
カッシーニは11月30日より、土星の環をかすめるようにして飛行する「Ring-Grazing Orbits」ミッションを開始。1週間ごとに土星を20周するこのミッションでは、土星の環をかすめ通る前に北極圏の上空を通過しました。そして搭載カメラにより、12月2日〜3日にかけてこれらの画像を撮影。そして今後は、土星の環やそれに含まれる「小衛星」の詳細画像を送り届けてくれることが期待できます。
また土星の北極側にこのような六角形のジェット気流が存在することは、以前から知られていました。この六角形はサイズは一辺が地球ほどのサイズになり、時速300km以上というスピードでジェット気流が流れています。また季節によって六角形の部分の色が青色や金色に変わるという、興味深い現象も観測されているのです。
カッシーニが次に土星の環を通過するのは12月11日。そしてミッションは4月22日まで続きます。そして最後に土星の衛星「タイタン」を通過した後、土星の大気圏に突入させて破棄される予定です。1997年に打ち上げられ2004年に土星に到達したカッシーニですが、まだまだ素晴らしい観測結果を我々に残してくれそうですね!
Image Credit: NASA
■Cassini Beams Back First Images from New Orbit
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