チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星といえば、ESA(欧州宇宙機関)の彗星探査機「ロゼッタ」がつい昨年まで観測を行っていたことが思い出されますね。そして国立天文台、ミシガン大学、京都産業大学、立教大学および東京大学の研究者は、超小型深宇宙探査機プロキオンによる同彗星の水素ガスの観測から、彗星核からの水分子放出量の絶対量を決定したと発表しました。
ロゼッタ探査機でもチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の探査は行われていたのですが、その領域は狭いものでした。そこで、東京大学などによって開発されたプロキオン探査機は彗星コマの全体と、搭載されたライカ望遠鏡によって水素ガスを観測。この水素ガスは、彗星核の水分子が紫外線で破壊されたことで生成されたものです。そしてその観測から、彗星の活動度を正確に測定することができたのです。
今回の観測はチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の活動の謎を解明しただけでなく、小型探査機による大型計画のサポートという意味でも意義のあるものでした。低予算なプロジェクトといえばNASAが新たに発表した小惑星調査ミッション「Lucy/Psyche」が思い出されますが、宇宙探査計画にもさまざまな形があるのですね。
Image Credit: 国立天文台
■超小型探査機が彗星の水のなぞを解明
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