昨年の12月に打ち上げられISS(国際宇宙ステーション)へと物資を届け、先日28日にISSから分離した宇宙ステーション補給機「こうのとり6号機(HTV6)」。同補給機は分離後に宇宙ゴミ(スペースデブリ)の除去実証実験「KITE」を予定していたのですが、NHKニュースによると現時点では実験を中断していると報じられています。
この実証実験は、700メートル級のワイヤー「導電性テザー」を展開して、電流を流すことでローレンツ力を発生させます。このローレンツ力はスペースデブリのスピードを落として大気圏に落下させる効果があると見られており、また2020年半ばにはスペースデブリに取り付ける人工衛星を開発し、スペースデブリの除去を行うことを予定しているのです。
しかしNHKニュースの報道によれば、こうのとり6号機はワイヤーの打ち出しに失敗。ワイヤーが伸びなければ電流も流せないということで、実験が中断されているのです。また報道では、こうのとり6号機が大気圏へ突入する直前となる2月4日までは再度ワイヤーの打ち出しを試みるとしています。
宇宙ステーションへのリチウムイオン電池や超小型衛星などの運搬という、メインとなる目標は達成したこうのとり6号機。大気圏突入まであまり時間がないため、今が正念場となりそうです。
Image Credit: JAXA
■「こうのとり」6号機 宇宙ごみの除去実験が中断
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