軍事用として、利用用途は広そうです。DARPA(米国防高等研究計画局)は新たに、高速で飛行するドローンのための空中回収システム「SideArm」を公開しました。
このSideArmは、クレーンに設置されたドローンを引っ掛けるためのワイヤーと保持機構から成り立っています。そして高速で飛来するドローンの背中に付けられたフックにワイヤーを引っ掛け、保持機構のクッションで安全にドローンを確保するのです。この光景は、まるで艦載機が航空母艦上のワイヤーに引っ掛けられて停止するのにそっくりです。
さらに動画を見ると、このクレーンは「ドローンの射出機構」としても利用できるようです。こちらもまるで、カタパルトのよう。計画によればこのSideArmはコンテナに収まるサイズになり、車両や船舶、鉄道、C-130輸送機やCH-47ヘリコプターなどへの搭載も想定されています。また動画にはロッキード・マーティン社製のUAV「Fury Unmanned Aerial System(Fury USA)」が登場しており、まさに軍事用途を狙ったシステムになることでしょう。
自由自在に機動できるマルチコプターとは異なり、固定翼型のドローンはその発進、着陸に難点を抱えていました。市販の固定翼型ドローンも、ユーザーが放り投げて飛行を開始するなどイマイチスマートとはいえない方法を取っています。しかしこのようなローンチシステムが完成すれば、軍事用のUAVや固定翼型ドローンをより柔軟に運用できることでしょう。民生用の技術になるかどうかは疑問点がつきますが、SideArmが興味深い技術であるのは確かです。
Image Credit: DARPA
■Watch DARPA’s plan to snatch drones out of the air
http://www.theverge.com/2017/2/7/14533132/darpa-drone-crane-sidearm-project?utm_source=rss&utm_medium=rss
■DARPA’s SideArm prototype launches and retrieves drones in short order
http://newatlas.com/darpa-sidearm-drone-catcher/47766/?utm_source=rss&utm_medium=rss