2006年に発表された国際天文学連合(IAU)の定義により、準惑星に格下げとなった「冥王星」。当時はその変更に驚いた人も多いでしょう。しかしNASAの科学者が新たに発表した定義によれば、冥王星や地球の月までもが惑星へと含まれることになります。
NASAのAlan Stern氏と彼のチームが発表したこの新定義では、惑星と恒星(太陽)の関係よりも物質的な構成が重要になります。つまり、太陽を周回していなくても惑星になれるというのです。
なお、2006年にIAUが宣言した惑星定義は「1、太陽を周回している 2、自身の重力が剛体力に打ち勝ち、静水圧平衡(ほぼ球形)の形となっている 3、軌道周囲の天体を一掃している」があげられます。冥王星はこのうちの3つ目をクリアすることができませんでした。
しかしAlan Stern氏の定義はこうです。「惑星とは核融合をおこさない恒星を下回る質量の天体で、自分の重力によって三軸楕円体(球体)を保ち、軌道は考慮に入れない」。同氏はこの定義を「他の物体に影響されない、物理的な特性に基づいたものだ」と自信を持って語っています。またIAUの惑星の定義は矛盾を抱えているとも批判しているのです。
現在、Alan Stern氏のチームはIAUに惑星の定義を再考慮するように要望を提出しています。またIAUがこの新定義を認めない限り、冥王星が惑星に復帰することはありません。
Image Credit: Slash Gear
■NASA Scientists Have Proposed a New Definition of Planets, and Pluto Could Soon Be Back
http://www.sciencealert.com/nasa-scientists-have-proposed-a-new-definition-for-planets-and-it-could-change-everything?utm_source=rss&utm_medium=rss
■Pluto could be a planet again, just like our moon
https://www.slashgear.com/pluto-could-be-a-planet-again-just-like-our-moon-21475602/?utm_source=rss&utm_medium=rss