ラストワンマイル問題といえば通信業界の長年の課題ですが、実は運送業界にも似た問題があります。つまり、最後の戸口への配達に一番コストが掛かるのです。そんな問題を解決できるかもしれない、運送会社のUSPによるトラックからのドローン配達が初めて実験に成功しました。
今回のドローン配達システムは、トラックの貨物部の上部からドローンが飛び立ち配達を行うというもの。さらにドローンは自律飛行で飛び、すでにトラックが移動した別の地点にまで帰着します。これは相当な配達の労力の軽減が期待される……のですが、2回目のテストでは失敗したりとまだまだ実用的ではないようです。
今回のドローン配達では、UPSは「これは従業員をドローンに置き換えるものではなく、その労力を減らすためのものだ」と主張しています。また僻地では1つの配達に数キロもの道を移動することがあり、ドローン配達を導入すれば1年で5000万ドル(約57億円)ものコストカットが可能だと試算しています。ただし、それが最終的に従業員の削減に結びつかないという保証はありません。
今回のドローンはWorkhorse社が開発しました。ドローンは最大30分間の飛行が可能で、最大10ポンド(約4.5kg)の荷物を運搬することができます。アメリカでは現在、ドローンは操縦士の視野の中で飛行しなければいけないなどの規制があり、ドローン配達の大きな障壁となっています。しかし同国だけでなく世界的にドローン配達を推し進める動きがあり、いずれUPSのドローンもアメリカを、そしてもしかしたら日本でも運用されるかもしれません。
Image Credit: UPS
■UPS successfully delivered a package with a drone
https://thenextweb.com/insider/2017/02/21/ups-successfully-delivered-package-drone/?utm_source=rss&utm_medium=rss
■UPS has a delivery truck that can launch a drone
http://www.theverge.com/2017/2/21/14691062/ups-drone-delivery-truck-test-completed-video?utm_source=rss&utm_medium=rss