チリのアタカマ砂漠に設置された「アルマ望遠鏡(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計:ALMA)」。同望遠鏡はこれまでも素晴らしい観測結果を残してきましたが、今回の「赤色巨星が照らし出すガスの渦巻き模様」も非常にインパクトのあるビジュアルです。
台湾中央研究院天文及天文物理研究所(ASIAA)のヒョスン・キム氏ら国際チームは、ペガスス座LL星を観測。この恒星は連星(複数の星がお互いを周っている)で、渦巻き模様はその連星系の軌道運動によって作り出されているのです。
ペガスス座LL星は太陽の予測された将来と同じく、赤色巨星となっています。また赤色巨星はガスを周囲に撒き散らし、後に中心から紫外線を放出してガスを照らし出す「惑星状星雲」を形作ります。そしてその内部構造に、ペガスス座LL星の軌道運動が深く関連していると考えられているのです。また渦巻きの間隔から、連星系の周期が約800年だとも予測されています。
これまでわからなかった連星の運動を電波の目で解き明かす、アルマ望遠鏡の素晴らしい観測成果ですね。
Image Credit: 国立天文台
■2017年3月03日 渦巻き模様が伝える星の最期のメッセージ
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