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132億光年先の銀河「A2744_YD4」 アルマ望遠鏡が観測

sorae.jp 2017年3月10日 8時0分


 
これまでも130億光年以上先の非常に古い銀河はいくつか観測されていますが、今回もレコードブレーキングなものです。アルマ望遠鏡を利用した観測により、地球から132億光年先の銀河「A2744_YD4」に酸素と塵が存在することが確認されました。これは、酸素と塵が発見された銀河の中では最も遠いものとなります。
 
今回の観測を行ったのは、イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのニコラス・ラポルテ氏ら。以前にハッブル宇宙望遠鏡にて発見されていた「A2744_YD4」をチリのアタカマ砂漠にあるアルマ望遠鏡で観測し、塵と酸素の電波を捉えることで今回の発見へとつながりました。また、この銀河では134億年前から星の生成が始まっていたそうです。
 
アルマ望遠鏡は以前にも、くじら座の方向の131億光年先の銀河「SXDF-NB1006-2」に「電離した酸素ガス」があることを観測しています。またそのときは、「宇宙再電離(宇宙誕生時の電離していた粒子が一度はおさまり、再び電離した現象)」の解明に役立つと期待されていました。この131億年というのは、ちょうど再電離が起きた時代なのです。
 
宇宙は138億年前に誕生したと考えられており、今回の132億光年先の銀河は極めてその初期に誕生したことになります。さらに、134億光年先の銀河「GN-z11」もハッブル宇宙望遠鏡によって発見されており、今後も宇宙の誕生に関する研究が進むことが期待されています。
 
Image Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), NASA, ESA, ESO and D. Coe (STScI)/J. Merten (Heidelberg/Bologna)
■2017年3月08日 アルマ望遠鏡、132億光年先の銀河に酸素と塵を発見—最遠方記録を更新し、銀河誕生時代に迫る
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/info/2017/0308132_1.html?utm_source=rss&utm_medium=rss

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