現地時間の4月13日に行われた、NASAの重大発表。それは、土星の衛星「エンケラドゥス」の海で熱水噴出が存在する証拠が発見されたというものでした。
この熱水噴出は地球でも深海に存在し、生命活動の場となっています。つまり、エンケラドゥスの熱水噴出も生命活動の場となっている可能性がある、というのが今回の発表の概要です。なお、今回の観測には土星探査機のカッシーニが利用されています。
エンケラドゥスは表面を分厚い氷の層が覆っていますが、その下には海が存在していることが予測されています。そしてエンケラドゥス表面からの噴出には水素(H2)が含まれていることを発見。これはエンケラドゥスの海に継続的な熱水噴出が存在し、それが岩石と反応して水素を形成していると考えられるのです。
エンケラドゥスは直径が504キロほどの、土星の6番目に大きな衛星です。そしてガスの噴出に含まれている水素の濃度は0.4〜1.4パーセントほど。その他にも二酸化炭素が0.3〜0.8パーセントほど見つかっています。一方地球の深海の熱水噴出孔の周りには、硫化水素やメタンから有機物を生成する微生物が存在し、その周囲には貝やエビ、カニなどが集まる生態系が形成されることがあります。
今回の発見はまだまだ直接の生命の発見ではありませんが、もしかしたら土星衛星の氷の下にまだ見ぬ生命がいるかもしれない……と思うと、ワクワクしてしまいますね!
Image Credit: NASA
■Potential Energy Source for Life Spotted on Saturn Moon Enceladus
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■NASA Missions Provide New Insights into ‘Ocean Worlds’ in Our Solar System
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