現在NASAがすすめる、次世代ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」と宇宙船「オリオン」の打ち上げ。当初はその初打ち上げが2018年11月に予定されていましたが、NASAの監察総監室(OIG)は計画に遅れが出る可能性を指摘しています。
NASAは当初、2018年に無人での打ち上げを、また2021年に有人での打ち上げを予定していました。またトランプ政権下に移行してからは、2018年の有人での打ち上げの検討も開始されています。しかしOIGは、地上打ち上げ施設などへの投資不足を指摘。さらに、ソフトウェアの開発も遅れているそうです。
そしてもし最初の打ち上げを有人化した場合、その時期は早くても2019年にずれ込むことが予測されています。さらにNASAは2030年代に火星の有人探査を予定しているのですが、その準備不足も指摘。一応同宇宙局は月や火星の探査基地や探査船「Deep Space Gateway/Transport」を構想しているのですが、まだまだ計画に具体性が欠けているとしているのです。
それ以外にもOIGは、NASAの火星ミッションには2033年までに2100億ドル(約23兆円)の予算が必要となると予想。そしてそれゆえに、NASAに他の宇宙局や民間宇宙開発会社との連携をすすめています。
Image Credit: NASA
■The first two flights of NASA’s next big rocket will likely be delayed, new report claims
http://www.theverge.com/2017/4/15/15300310/nasa-office-of-inspector-general-report-sls-orion-mars-delays?utm_source=rss&utm_medium=rss
■NASA OIG: SLS unlikely to launch in 2018
http://www.spaceflightinsider.com/missions/human-spaceflight/nasa-oig-sls-unlikely-launch-2018/?utm_source=rss&utm_medium=rss