最終ミッション「グランド・フィナーレ」として、土星と土星の環の間へと飛び込んだ探査機「カッシーニ」。そのカッシーニから、初となる土星の接近観測画像が地球へと届けられました。
上の画像は、NASAが「巨大ハリケーン」と呼ぶ土星大気の一部です。カッシーニは土星大気から3,000km、環から300kmの位置まで近づき、アンテナを盾のようにして時速12万4000kmで移動。もちろん、これほどまでに土星の大気に近づいての観測結果が地球へと届けられたのは初めてとなります。
土星の大気はほとんどが水素で成り立っており、その最外層の気圧は地球の1気圧とほぼ同じです。また北極には六角形の巨大なジェットが存在し、その他にも巨大な嵐が頻繁に発生します。また、時速1,800kmに達する極めて高速な風が表面に吹いているのです。
今後カッシーニは21回の周回ミッションをこなし、9月15日に土星大気に突入してその寿命を終えます。次回のダイブは5月2日。土星はその大気の構造や環の構成、年齢などわからないことだらけですが、カッシーニの勇気あるミッションによってさらなる詳細が解き明かされることでしょう。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute
■’Giant Hurricane’ on Saturn: 1st Images Back from Cassini’s Epic Ring Dive
http://www.space.com/36634-giant-saturn-hurricane-cassini-ring-dive-photos.html?utm_source=rss&utm_medium=rss
■NASA Spacecraft Dives Between Saturn and Its Rings
https://www.nasa.gov/feature/jpl/nasa-spacecraft-dives-between-saturn-and-its-rings?utm_source=rss&utm_medium=rss