おうし座にある「かに星雲」は超新星爆発の残骸からできており、その非常に美しい姿も特徴。そんなかに星雲を複数の天体望遠鏡で観測し、合成することでなんとも美しい天体写真が作成されました。
地球からは6500光年先に存在するかに星雲。同星雲は10光年ほどの幅を持っており、現在も膨張を続けています。その中心には高速回転するパルサー(中性子星)が存在し、33ミリ秒という非常に短い周期で明るさが変化しています。
今回の観測では、カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群が電波を、スピッツァー宇宙望遠鏡が赤外線を、ハッブル宇宙望遠鏡が可視光線を、XMM-Newton(X線観測衛星)が紫外線を、チャンドラX線観測衛星がX線を観測。それぞれのデータを赤、黄色、緑、青、紫に着色し、合成しています。まさに天体望遠鏡のオールスターです。
プロジェクトを主導したブエノス・アイレス大学のGloria Dubner氏は、「これらのデータを比較することで、かに星雲の新たな詳細が判明することでしょう」と期待を寄せています。今後もこのような主要天体望遠鏡の合同観測をいろいろと見てみたいものです。
Imgae Credit: NASA, ESA, G. Dubner (IAFE, CONICET-University of Buenos Aires) et al.; A. Loll et al.; T. Temim et al.; F. Seward et al.; VLA/NRAO/AUI/NSF; Chandra/CXC; Spitzer/JPL-Caltech; XMM-Newton/ESA; and Hubble/STScI
■Telescope All-Star Team Feasts on Crab Nebula with Spectacular Results
http://www.space.com/36797-telescopes-feast-on-crab-nebula-amazing-video-photo.html