現在木星の観測を続けている探査機「ジュノー」は、ガスからできた木星の上空で珍しい「雪の雲」の写真を撮影し、地球へと送信しています。
この長さ80kmほどの雲は木星大気のかなり上の部分に存在し、それゆえ温度が低く、構成成分が凍っているものと考えられます。これについて、ジュノーの第一研究員を務めるScott Bolton氏は「この雪はおそらく大部分がアンモニアの氷で構成されていると考えられます。ただし、その一部は水分の氷である可能性もあります。またこれは想像ですが、これは雪というよりも雹(ひょう)の形態をとっているのではないでしょうか」と話しています。
今回の画像は2017年の5月19日に、木星の南地域で撮影されました。撮影高度は約1万3000kmで、このように多数の氷の雪が観測されたのは今回が初めてです。
2011年に打ち上げられたジュノーは2016年7月に木星に到達し、その大気の構成や重力場、磁場などを解明するために、現在も観測を続けています。その軌道は、木星の極を53.5日で通過するというもの。次回に木星の接近観測ができるのは7月となりますが、その際にも新たな発見を期待したいですね!
Image Credit: Space.com
■’It’s Snowing on Jupiter’: Stunning Photos Show Clouds High in Gas Giant’s Skies
http://www.space.com/37009-jupiter-snow-high-clouds-juno-photos.html
■木星探査機ジュノーの観測で、「新たな」木星の姿が明らかに
https://moonstation.jp/blog/planetaryexp/juno/juno-reveals-new-and-dynamic-figures-of-jupiter