国立天文台は、「野辺山45メートル電波望遠鏡」がIEEE(電気工学・電子工学技術学会)による「IEEEマイルストーン」に認定されたことを発表しました。
国立天文台と三菱電機株式会社によって1982年に完成した同電波望遠鏡は当時世界最大のミリ波電波望遠鏡として観測を続け、多数の星間物質や巨大ブラックホールなどを発見しています。当時は電波望遠鏡の口径が最も大きいものでも11メートルでしたが、その時代に口径45メートルの電波望遠鏡を作るという野心的な計画でした。
これまでにない大口径の電波望遠鏡ということでその指向を変化させる際の変形防止が課題となりましたが、国立天文台の発表によればホモロガス変形法やマスター・コリメータ方式、断熱材による熱変形の抑制技術など、現在の大型望遠鏡やアンテナでも利用されている技術を導入することで課題を解決しています。
そして、野辺山45メートル電波望遠鏡は現在も最先端の電波望遠鏡として観測を続けています。今後も同望遠鏡が解き明かす宇宙の神秘を楽しみにしたいですね。
Image Credit: 国立天文台
■当時世界最大のミリ波電波望遠鏡の革新的な技術が電波天文学の進歩に大きく貢献 国立天文台と三菱電機で開発の野辺山45メートル電波望遠鏡が「IEEEマイルストーン」に認定
http://www.nao.ac.jp/news/topics/2017/20170614-nro.html