宇宙には2つの恒星がお互いを追いかけるように回る連星(あるいはふたごぼし)がたくさんありますが、ブラックホールでも似たような現象が起きるようです。科学者はアメリカ国立電波天文台の超長基線アレイ(VLBA)を利用して、2つの巨大ブラックホールがお互いを周回する様子を初めて観測しました。
地球から7億5000万光年先にある楕円銀河「0402+379」の中心で観測された、この天体。2006年には科学者はこの銀河の中心に2つの巨大ブラックホールが存在していることを発見していました。2つの巨大ブラックホールは太陽の150億倍もの質量を持ち、片方の巨大ブラックホールはもう片方よりも2倍、あるいは4倍も大きいことが推測されています。
2つの巨大ブラックホールの間の距離は24光年で、巨大ブラックホールがこれだけ近づいて発見されるのは珍しいことなんだとか。このことは過去に大量の銀河が合体してこの2つの巨大ブラックホールが形成されたことを示しており、さらに将来2つの巨大ブラックホールも合体する可能性があります。しかし、宇宙の膨張を考えれば残りの宇宙の寿命の間には2つのブラックホールは合体しないだろう、と予測する科学者もいます。
なお、2つの巨大ブラックホールがお互いを1周するには3万年もの月日が必要だそうです。巨大ブラックホールの大きさといい、なんともスケールの大きな話ですね。
Image Credit: Josh Valenzuela/University of New Mexico
■Monster Black Holes Spotted Orbiting Each Other for 1st Time Ever
https://www.space.com/37369-supermassive-black-holes-orbiting-each-other.html