これまで冥王星で、さまざまな探査活動を行ってきた探査機「ニュー・ホライズンズ」。同探査機は次の探査ターゲットをエッジワース・カイパーベルトに存在する「2014 MU69」に定めているのですが、その運用チームが2014 MU69の影をアルゼンチンから撮影することに成功しました。
今回の撮影では、2014 MU69がとある星の前面を通過した、光の瞬きを捉えています。このような現象は「掩蔽(えんぺい、occultation)」と呼ばれています。撮影日時は2017年7月17日です。
2006年にケネディ宇宙センターから「アトラスV」ロケットで打ち上げられた、ニューホライズンズ。2015年からは冥王星の観測を開始し、2016年1月に同惑星の観測を終了しました。そして、さらに太陽系の縁に位置する2014 MU69への2019年1月の到着を目指し、現在も旅を続けているのです。
この地球から65億キロメートル離れ、直径約22km〜40km程度の小さな天体をなぜ探査する必要があるのか……それは、このエッジワース・カイパーベルトに位置する天体が太陽系46億年の歴史を解き明かす鍵になる可能性があるからなのです。2014 MU69は、太陽系創造時から姿を変えていない天体であることが期待されています。
先日NASAはニュー・ホライズンズの観測データから冥王星とその衛星「カロン」の3Dモデルを作成し、公開しました。いずれ、2014 MU69でもそのようなデータが公開されるかもしれませんね。
Image Credit: NASA / JHUAPL / SwRI
■The team that took us to Pluto briefly spotted their next target at the edge of the Solar System
https://www.theverge.com/2017/7/21/16000942/nasa-new-horizons-pluto-2014-mu69-occultation
■NASA’s New Horizons Team Strikes Gold in Argentina
https://www.nasa.gov/feature/nasa-s-new-horizons-team-strikes-gold-in-argentina