火星第1衛星の「フォボス」。JAXAによるサンプルリターンミッション「MMX」も計画されているこの衛星が火星の回りを周回する様子を、ハッブル宇宙望遠鏡がタイムラプス撮影として捉えました。
フォボスは火星の周りを7時間39分という高速で公転しており、これは火星の自転周期よりも早いものです。さらに同衛星は太陽系の衛星の中でも最も母惑星に近いことで知られており、火星からの距離はわずか約6,000km。地球と月の平均距離が38万5000kmなのとは大きな違いです。また、その衛星自体の半径は11kmとなっています。
今回、ハッブルは22分間の間に13枚の撮影を行い、この写真を撮影しました。実は48年前にはNASAの探査機「マリナー7号」がフォボスに接近しており、今回の画像公開はその記念の意味もあったんですね。そしてJAXAのMMX計画では、このフォボス(あるいはダイモス)に2024年に探査機を送り込み、サンプルを採取し、2029年の地球帰還を計画しているのです。
火星の起源や進化はどのようなものだったのか、さらには太陽系の惑星はどのようにして形成されたのか……。まだまだわからないことの多い太陽系の惑星の謎を、MMXは解き明かそうとしています。
Image Credit: NASA, ESA, and Z. Levay (STScI)
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