近年の宇宙開発で注目されている、「水資源」の発掘。水は生命の生存に必要なだけでなく、水素と酸素に分離すれば燃料として利用できる可能性もあります。そんな中、「月内部にはこれまで想定されていた以上に水資源が存在している」という、興味深い研究報告が登場しました。
ネイチャー・ジオサイエンスに掲載された研究によると、月の岩石サンプルを分析したところ内部には小さな水を含んだガラスのビーズが含まれていたそうです。このビーズは数十億年前に月の内部のマグマの活動で形成されたもの。そしてインドの月探査機「チャンドラヤーン1号」からの月観測データを分析したところ、月の極以外にも水を含んだ物質が豊富に存在していると思われる「ホットスポット」が見つかりました。
かつては完全に水が存在しない世界だと思われていた月ですが、最近の研究ではアポロ計画から持ち帰った岩石サンプルの分析などから、ガラス内部に水を含んだ岩石が存在していることが知られるようになりました。しかし、それがどれくらいの分量なのかははっきりしていなかったのです。
NASAは今回の研究結果に対し、「今回のガラス内に水を含んだ岩石の研究は、月が生成されマグマの活動が豊富だった時期に、水資源も豊富に存在していたことを示しているのです」と語っています。今回の研究ではアポロ15号やアポロ17号が着陸した地域に水資源が多く存在していることを示唆していますが、今後は同地域などでの資源開発が活発化するかもしれませんね。
Image Credit: Wikimedia commons
■The Moon has more water than we thought
https://www.theverge.com/2017/7/24/16020132/moon-water-rock-samples-mining-missions