冥王星には特徴的なハート型の地形がありますが、意外なことにこれまでその地域に正式な名称はありませんでした。しかしIAU(国際天文学連合)はこの度、このハートやその周囲の地形の名前を正式に決定し、発表しています。
まずハート型の左側、一番目立つ部分は「スプートニク平原(Sputnik Planitia)」と名付けられました。これはもちろん、旧ソ連の世界初の人工衛星「スプートニク1号」にちなんでいます。そしてハート型の右側は、初めて冥王星を発見した天文学者にちなんで「トンボー地域(Tombaugh Regio)」と名付けられました。
そしてハート型の下には「テンジン山(Tenzing Montes)」と「ヒラリー山(Hillary Montes)」が広がります。これらは、エベレスト山の山頂に初めてたどり着いたシェルパと登山家に由来するそうです。またその右側には、イヌイット神話から引用されたアドリブン窪地が存在します。
一方ハート型の右上に目を向けると、そこには「ハヤブサ大地(Hayabusa Terra)」が広がります。これは、小惑星「イトカワ」からのサンプルリターンを行った日本の探査機「はやぶさ」から。そしてハート型の左側には、1977年に打ち上げられいまも宇宙を旅する探査機「ボイジャー1号」から名付けられた「ボイジャー大地(Voyager Terra)」が横たわります。
このようにおなじみの地形に正式名称がつけられたことで、私達にも冥王星がぐっと身近に感じられるようになったのではないでしょうか。冥王星はその成り立ちが活発に議論されており、今後も「ニュー・ホライズンズ」に続く探査ミッションが行われることを待ちたいですね。
Image Credit: NASA
■Pluto Features Given First Official Names
https://www.nasa.gov/feature/pluto-features-given-first-official-names
■冥王星の地名が正式決定、「はやぶさ」やボイジャーの名前も
https://moonstation.jp/blog/planetaryexp/new-horizons/features-of-the-surface-of-pluto-officially-named