今や宇宙機関だけでなく民間企業もその目標に定めている「火星」ですが、ロッキード・マーティンはその火星探査用の再使用可能な着陸船「MADV(Mars Ascent/Descent Vehicle)」を公開しました。
現在ロッキード・マーティンはNASAと共同で、2028年までに火星に有人宇宙ステーションを建造する「MBC(Mars Base Camp)」計画を進めています。このMars Base Campでは1000日などの長期間の飛行士の滞在が予定されており、またMADVは火星表面への着陸/離陸用として利用されるのです。
MADVはスペースXの「ファルコン9」ロケットでも利用されている超音速逆噴射技術により、火星への着陸時に減速。燃料には液体酸素と液体水素を利用し、宇宙ステーションから燃料を補給します。それぞれを生成するための水は当初は地球から、やがては小惑星や火星衛星、あるいは火星の氷から補給するそうです。またそのための採取探査機「WDVs(Water Delivery Vehicles )」も用意されます。
MADVの内部には4人の宇宙飛行士が搭乗でき、2週間ほどの火星探査が可能だとしています。また万が一の事故に備え、MADVは2機体制で運用されるようです。
このMADVやMBCはNASAの「NextSTEP」プログラムの一環として、火星の居住地区のデザインとして提案されたものです。またロッキード・マーティンは月や火星探査用の宇宙船「オライオン」の製造にも携わっており、MADVやMBCはその次の一歩となりそうです。
Image Credit: Lockheed Martin
■Lockheed Martin Unveils Sleek, Reusable Lander for Crewed Mars Missions
https://www.space.com/38306-lockheed-martin-reusable-mars-lander-unveiled.html