アポロ計画の感動が、また蘇るのでしょうか。アメリカ副大統領のマイク・ペンス氏は国家宇宙評議会の場で2017年10月5日(現地時間)、トランプ政権下のもとで再び有人での月探査を行う考えを明らかにしました。
ペンス氏は「我々はNASAの宇宙飛行士を月へと送り込むつもりだ。それも過去の月面探査の後追いではなく、そこに土台を築き、将来の火星やさらなる探査に利用する」と発言。トランプ政権は以前から有人による月探査に興味を示していましたが、いよいよそれが明言された形となります。
現在、NASAは月周辺に宇宙ステーション「ディープ・スペース・ゲートウェイ」を建設し、それを足がかりに火星探査を行おうとしています。またそのために、超大型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」や「オライオン宇宙船」も開発しています。今後、この計画にどのような変更がくわえられるのかは現時点では語られていません。
またペンス氏は現在のアメリカでの民間宇宙開発企業の発展にも触れ、「政府と企業の協力がこれまで以上に宇宙進出に役立つだろう」と発言。会場に出席したスペースXやブルー・オリジン、ボーイング、ロッキード・マーティンの関係者も自社の宇宙開発への貢献を述べるなど、将来的な官民共同での宇宙開発を予想させています。
このように大きな目標が掲げられた今回の国家宇宙会議ですが、具体的なプロセスについては特に発表はありませんでした。NASAのRobert Lightfoot氏は「次期予算のプロセスとともに、計画を固めるつもりだ」としています。
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■NASA will put humans on the Moon again, Mike Pence tells space council
https://www.theverge.com/2017/10/5/16429598/nasa-vice-president-national-space-council-moon-mars