JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、次世代ロケット「H3」の第1段に搭載予定となる「LE-9」エンジンの実機型を、種子島宇宙センターにて機体公開しました。
LE-9は三菱重工業とIHIが開発し、エンジンサイクルには「エキスパンダブリード」を採用。「H-IIA/B」ロケットの2段燃焼エンジンサイクルよりもシンプルかつ低コストで、信頼性も高いとされています。真空中推力は1471kN(150トン)で、バルブの駆動方式には電動バルブが採用されています。
https://twitter.com/JAXA_jp/status/930319628047327233
一方、H3には第1段にLE-9を2基もしくは3基、そして第2段に「LE-5B-3」エンジンを1基、そして固定ロケットブースター(SRB-3)を0基、2基、4基搭載します。全長は約63mで、コアロケットの直径は5.2m。太陽同期軌道に4トン以上、あるいは静止トランスファ軌道に6.5トン以上の打ち上げ能力をもちます。打ち上げコストは最小構成で、H-IIAの約半額となる約50億円。そして、試験機1号機の打ち上げは2020年を予定しています。
今後、JAXAは2018年度以降に認定型エンジン燃焼試験と第1段厚肉タンクステージ燃焼試験を、そして2020年度には第1段実機型タンクステージ燃焼試験を行う予定です。
Image Credit: JAXA
■JAXA(Twitter)
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(文/塚本直樹)